戦争のコスパは悪い。
かつては攻め込んで首都を攻略するのが常道だったが、今は、反政府勢力に武器供与して、親〇政権をつくるという手法が主流だ。アメリカもよくやっている。というか、イランもアフガンもそうだったのに、親米政権にならなかったので、ボコった。酷いね。まったく。
なぜか。
これは情報のせいだと思う。
かつて反政府勢力が各地で連携するのは難しかった。いまは簡単だ。めちゃくそ簡単だ。だから統制の取れない反政府勢力を使った政権転覆よりも戦争を仕掛ける方がコスパで勝ることも多かった。
しかし、現代は違う。今言ったように、反政府勢力の連携が容易で統制が取りやすい。だからこそ、大規模テロ、組織的テロも多いわけだが。
次にコストだ。
WW1までは武器のコストは大したことがなかった。大量破壊兵器もなく、人的被害も小さかった。しかしWW2以降は武器の値段が爆上がりで、大量破壊兵器のせいで人的被害もとんでもない。
対戦車ミサイルが一発何百万とかあほくさい。その金で大統領府を現地の反政府勢力に爆破させるほうがずっといい。ロシアは何千億円も戦費を使っているというが、その金でゼレンスキーを殴ったほうがよりよい結果が得られただろう。1000億で殴れば、ウクライナの首脳陣は喜んで、一部地域をロシアにくれただろう。
最後に人道的な理由だ。
WW2までぶっちゃけ、ルールはあったが何をしてもよかった。実際、アメリカはドイツに対しては比較的ルールを守ったが、日本に対してはほとんど守らなかった。原爆だって落としたが、まあ、そこまで大きな非難はなかった。アジア人がいっぱい死んでもまあ、大したことではなかった。日本も中国人を虐殺しまくったが、非難できる筋だから英米は非難しただけで、本当に人道的な悪事とは思っていなかった。だって、自分たちもインドやアフリカでやっていたことだから。
今回の戦争が100年前の価値観なら、ロシアは初手から無差別爆撃、核使用によって、一瞬で終わらせただろう。が、現代の倫理観では無理だ。プーチンが命令したとしても、現代の価値観に染まったロシア兵が拒否するだろう。
アメリカだって、今の世で、差別主義者の白人に日本に核爆弾落として来いと言っても、大人しく従えない奴も多いだろう。WW2当時は喜んで空襲していたし、ベトナム戦争でだって、そうだったが、ここ30年くらいの急速な人道意識の高まりのせいで、虐殺行為自体が無理筋になってきた。なにせ、ベトナム戦争当時、アメリカは自由に報道させたが、その理由がベトコンを殺しまくる米兵を映せば、きっと戦争意欲が高まる! と思っていたからだ。実際、高齢者はそうだった(将官たちは何の良心の呵責も感じなかった)が、若者はそうではなかった。で、いまの若者はその反ベトナム世代の子供たちだ。
ソ連崩壊から20年以上、ほとんどのロシア兵もこの人道に浴し、染まっている。彼らはおそらく、大量破壊兵器のスイッチは押さない。